内モンゴルの人々
中村 淑子
電気も、水道もない
お風呂も、トイレもない
３時間車で走っても地平線のみ
ゲル以外は何もない
雄大な草原、内モンゴル
フクジルトヤ・ガチヤ村での交流
だけど、深い感動と感謝！！
さわやかな思い出
出 迎 え
夜遅く着いたのに
民族衣装とハリのある歌声
聞こえてくる馬頭琴と二胡の音色
数十人の村人の出迎えだ
涙があふれた
顔もよく見えないのに
握手しあい、出会いの盃
焦点もわからないまま
フラッシュをたいて
カメラをまわした
ゲ ル
屈託のない明るい笑顔のお母さん
折り紙で懸命にもてなす
８才くらいのテングス君
まな板兼用の戸棚と釜戸のみのゲル
真中のテーブルの上にローソク１本
塩ゆでした羊肉は
くさみもなくおいしい
草原の野菜による高菜のような漬物
ミニとまとも、塩ピーナツも
スイカも、お粥も、そして
独特のお茶もみんなおいしい
せんぺい布団も意外と温かった
結 楯 式
思わず抱擁したくなるような
民族衣装の花婿、花嫁
草原を、馬で１周する
ゲルにはジンギスカンの絵を飾り
その前に親、親族が居並ぶ
羊の頭にナイフを刺し
大地とかまどに礼拝する
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各ゲルをまわり祝福をうける
聞こえてくる歌と笑い声
先祖と伝統を重んずる
モンゴルの人々
交 流
草原いっぱいに響きわたる歌声
素朴な馬頭琴の音色
体で表す楽器との合奏
しなやかな踊り「白鳥の舞」
モンゴル民謡と炭坑節
見よう見真似でお互い踊る
まるまると太った赤ちゃんを
自慢げに見せるお父さん
人なっこい子供達との遊び
心かよわす楽しいひととき
夜 空
満天の星！！
手を伸ばせば届きそうな
北斗七星とポラリス
数十年ぶりにみる
ながーい天の川
次々と線を描いて走る流れ星
あちこちであがる歓声とため息
別 れ
皆で歌い別れの盃をかわす
サランさんのお母さんと
手をつないだ、いや腕を重ねた
お母さんは片方の手も
その上に重ねられた
帰りのバスまで一緒に歩く
知らぬ国で活躍するわが子を
「よろしく」といいたげに…
また涙が溢れた、涙腺失禁の私
テングス君も民族衣装のご両親と
涙を浮かべて手を振っている
「さようなら」「ありがとう」
地平線に見えなくなるまで
いっまでも手を振って
いつかこの人達を日本へ招きたい
素晴らしい歌声
しなやかな踊り そして
何にもましてやさしい心
お母さんがお元気なうちに
日本で活躍される
サランさんをみせてあげたい
わたしに なにか できるかな
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